血圧とは、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことです。
よく血圧の『上』とか『下』という言い方をしますが、上は心臓が収縮して血液を送り出すときの『収縮期血圧』のことで、下は心臓が拡張したときの『拡張期血圧』のことです。
高血圧症は、脳および心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞など)のリスクが高くなることが報告されています。こうした合併症発症予防のために、血圧を下げておくことが重要になります。
主な原因は
・塩分摂取過多
・肥満
・運動不足
・過度の飲酒・喫煙
他の原因疾患
腎性高血圧
原発性アルドステロン省
睡眠時無呼吸症候群
などが原因の二次性高血圧のこともあります。
基本的に、高血圧症に症状はありません。しかし頭痛・肩こりやめまいなどの症状が出る時もあります。
診察室での血圧測定だけでなく、できるだけ家庭血圧の測定をお願いしております。月に1回の測定ではその時だけ血圧が高い可能性があること、また白衣高血圧(家庭血圧は正常血圧)を除外するためです。
また糖尿病や腎不全などの基礎疾患ある場合は、血圧の降圧目標が変わってきます。

・生活の中での改善目標
1.塩分制限 1日6g未満
2.野菜・果物を積極的摂取
飽和脂肪酸・コレステロールの摂取を控える
3.適正体重の維持 BMI25未満
4.軽い有酸素運動を毎日30分、または週180分以上
5.節酒:エタノールとして、男性20~30ml/日以下、女性10~20ml/日以下
6.禁煙
・投薬
カルシウム拮抗薬
アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬
利尿薬 など

血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が増えている状態ことを、脂質異常症といいます。
この状態が長く続くと血管が詰まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの発症リスクが高まります。
コレステロールには、いわゆる
悪玉コレステロール(LDL):血管を詰まらせる
善玉コレステロール(HDL):血管の掃除をする
があります。LDLコレステロールを減らし、HDLを増やすことが重要です
・過食:高カロリーや高脂肪などの食べ過ぎ
・アルコールの過剰摂取
・肥満
・運動不足
・遺伝的な要因によって起こる、家族性高コレステロール血症

脂質異常症自体には症状はありません。
家族性高コレステロールではアキレス腱黄色腫(アキレス腱が太くなる)がみられことがあります
採血にて行います。
特に中性脂肪では、空腹時での採血が必要になります。

生活習慣の改善
・食事:高カロリー・高脂肪なものをとりすぎないようにする
・野菜、果物、海藻類の摂取を増やす
・アルコールの過剰摂取を控える
・減量
・運動:有酸素運動を30分以上、3~4回/週以上行う
内服薬
コレステロールを下げる薬
・スタチン系製剤:コレステロールを作るのを減らす
・小腸コレステロールトランスポーター阻害:コレステロールの吸収を阻害
中性脂肪を下げる薬
・フィブラート製剤:中性脂肪の合成を阻害
・EPA製剤
など

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値の上昇を抑える働き(耐糖能)が低下してしまうため、高血糖が慢性的に続く病気です。
1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型はインスリン依存型とも呼ばれ、自己免疫疾患などが原因でインスリン分泌細胞が破壊されるもので、インスリンの自己注射が必要です。
一方で2型はインスリン非依存型と呼ばれ、遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症します。
その他の特定の疾患や機序(メカニズム)によるものや妊娠糖尿病がありますが、多くは2型であり、日本ではその疑いがある人(可能性を否定できない人を含む)は成人の6人に1人、約1870万人にのぼっています。
2型糖尿病の原因
・過食
・運動不足
・老化による、すい臓機能の低下
・薬剤性
・妊娠

初期の段階では、自覚症状が全くないため、健診などでみつかることが多いです。
特徴的ではありませんが、疑われる症状としては、
・疲れやすい
・手足の感覚障害
・感染症によくかかる
・頻尿
・傷が治りづらい
・のどがよく乾く
などが挙げられます。

糖尿病の一番の問題点は合併症です。
動脈硬化が進行して、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、足の慢性動脈閉塞症などのリスクが高くなります。
また微小血管障害として、
1.糖尿病性網膜症:失明の原因1位
2.糖尿病性腎症:血液透析に至るケールも
3.糖尿病性神経障害
が挙げられます。

主に採血で診断します。

大きくわけると、食事療法・運動療法・薬物療法に分けられます。
これらにより適正体重の維持(BMI:22~24)を目指します。
1.食事療法・・・一番重要
・3食規則正しく食べ、間食を避ける
・腹八分目とし、よく噛んで食べる
・脂質と塩分の摂取を控えめにする
・食物繊維を多く、食べ始めにとる
2.運動療法・・・インスリン抵抗性の改善
できれば毎日、少なくとも週に3~5回、強度が中等度(心拍数が1分間に100回以内(50歳以上)、100~120回以内(50歳未満))の有酸素運動を20~60分行うこと、週に2~3回レジスタンス運動を行うことを推奨。
3.薬物治療
糖尿病のタイプ、体系(肥満の有無)などから、各種薬剤から選択します。
それでも改善しない、または悪化する場合は、インスリンなどの注射を併用することもあります。

一度糖尿病になると、完治すことはないと思われております。
しかし食事療法・運動療法を続けることによって、必ずしも薬を飲まなくても経過することができます。
大事なことは合併症の発症を予防することです。症状のない病気なので、継続して長く病気と付き合ってきことが重要になります。

花粉症とは、特定の植物の花粉に対してアレルギー反応を起こすことを言います。
スギ・ヒノキやブタクサなどが有名です。
花粉を異物と認識し、過剰に反応することによって引き起こされます。
日本では、国民の約半分が罹患していると言われています。
症状として、
1.目の症状:目のかゆみ・流涙
2.鼻の症状:くしゃみ・鼻水・鼻づまり
3.皮膚症状(かゆみ・発疹)
などがみられます。

※日本アレルギー学会より引用
問診で季節性や家族歴の有無、採血など診断します。
当院では、Viewアレルギー39で検査しております。
代表的な花粉症(スギ・ヒノキ・ブタクサなど)や
食物系(卵・小麦・ソバなど)を一度に検査できます。

※鼻アレルギー診療ガイドライン2020より引用
治療
1.薬物治療
・内服 抗ヒスタミン薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬
・点眼・点鼻(ステロイド)・眼瞼クリーム
・注射(ステロイド)
2.アレルゲン免疫療法:現在はスギ・ダニのみが保険適応
※治療期間は3年以上必要になります。
※スギ花粉の場合は流行期には開始できません
またアレルゲンを回避する環境整備も重要となります。